【コラム】ABSはアリかナシか？

MT-09はABSの有無が選べます。

重量差は3kg。
軽量さが売りのMT-09なのに、3kgの重量追加は大きいなあ…と思っちゃいます。

kurokiは迷わずABSモデルを選びました。
機械に自分の至らぬ技術をカバーしてもらおう、というヨコシマな理由からなんですけどね！

でも、ABSを付けるかどうかで悩んでいる方が、案外多いみたいなので、もう少し掘り下げてみます。
参考になれば嬉しいです。

性能向上に賭けた

モータージャーナリスト柏 秀樹さんのblog:
ABS装備があっても、なくても定期的なブレーキ練習を?

二輪用ABS技術の進化は著しく、最新の国産スーパースポーツあるいは最新の輸入外車ならそのままロードレースに使えるのではないかと思うほど高次元にまとめられている。

2009年、HONDA CBR1000RRにABSが装備された時は、「SSにABSですかあ？」と思っていたkurokiです。

でも、aprilia・BMW・DUCATI・Triumphなどの海外メーカーのSSに、ABSが標準装備されると、もう自分の考えが古いんじゃ？思うようになりました。

普段から最新バイクに触れている柏さんのような方から、こういったハナシを見聞きするようになると、そろそろいけるかも？と考えが変わってきました。

決め手は、yasuoさんに聞いた、上司のハナシ。

「上司はBMW S1000RRに乗ってるんだけど、ABSを信じてガーンとブレーキをかけてコーナーに入って、コーナー出口が見えたらトラコンを信じてガバッとアクセルを開けるんだって。それでツクバを3秒台で走っちゃうんだから、スゴイよね」

おお。市販車の電子制御は、もうここまで来てるんだ…。

なので今回のバイク選びは、最初からABSなどの電子制御付きのマシンに絞り込むことにしました。
もしかして、苦手なブレーキングがスムーズにできるようになるかもしれないなんて、淡い期待を抱きつつ。

重量増加の影響は極小化

MT-09の車体を観察してみます。

運動性能に影響を与えるバネ下には、タイヤのロックを感知するセンサーと、情報を伝えるケーブルしか追加されていません。
ここでの重量増加は、必要最低限にとどめられています。

ABSユニットはバッテリー横に設置されています。ライダーのお尻直下、マスが集中する位置です。
3kgのうち大部分はココにあると見られます。重量増による悪影響が、できるだけ少なくなるように配慮されていることが伺えます。

それでも軽さを求めたい方は、ABS無モデルをどうぞ！

ちなみにHONDA CBR600RR(13)のABSモデルは、ナシに比べて10kgの増加ですよ！
3kgの重量増にとどめたYAMAHAは、よくやってくれたと思います。
ちなみにHONDAには、高性能な前後連動ブレーキが搭載されてるので、重量がかさむことは当然なんですけどね。

人間はミスをする

「上手い奴がやれば、ABSよりも短い距離で止まれる」と、言われる方は多いです。

さて、いつまでその常識が通用するでしょうか？

電子制御装置の性能向上っぷりを見ていると、ホントに上手い奴じゃないとABSに勝てないんじゃないの？と疑うようになりました。
motoGPのヴァレンティーノ・ロッシぐらいの超上級者でなければ、ABSに勝てない時代は来るのは、そんなに遠くないかもしれませんぜ。

それに、人間はミスをする生き物です。

突然、危険なシーンに遭遇したとして、ミスなく乗り切る自信はありますか？
kurokiなら、身体が硬直してブレーキをギューッと握るのが精一杯…になるのは確実です(^^;;

将来のバイク業界の動向

2016年から、ヨーロッパで売られる全てのバイクはABS装備が義務付けられます。

ということは、日本メーカーのバイクは、SSも含めて、確実にABS付きモデルが用意されます。
コストを考えると、ABS付きモデルしか選べない流れになるでしょう。

ABSの有無が選べるのは、今の時期だけかもしれませんよ。
さあさあ！じっくり悩んでください！