kurokiはYAMAHA TRX850に、15年以上・7万キロ以上乗り続けています。
これだけ長く乗り続けてきたのは、マシンの楽しさに加えて、TRX仲間たちのお陰で「濃い」体験ができたからに、他なりません。
この反動で、最新鋭のマシンに食指が動かなくなっていました。
「欲しいバイクが、全然出てこないんだよね~」というのが、口癖になるぐらいに。
そんな時、クロスプレーン・コンセプトを引っさげて、MT-09がデビューしました。
ジャンルの違うマシンですが、スペックだけ見ても、かなり「心に刺さる」マシンでした。
なぜそこまで刺さったのか?
kuroki自身も理由を掘り下げてみたくなったので、長文ですが、少々お付き合いください。
TRX850とは、どんなマシンか
知ってる人にも改めて、TRX850はどんなマシンなのかを振り返ってみましょう。
YAMAHA TRX850は、1995年にビッグボア・ツインのスーパースポーツとしてデビューしました。
前年の1994年、スーパーバイク選手権でDUCATI 916が日本の4気筒勢に後塵を浴びせてチャンピオンに輝くなど、ビッグボア・ツインの性能向上がめざましい時代でした。
そんなDUCATIに対するYAMAHAの宣戦布告として、TRX850は送り込まれました。
開発キーワードは「エキサイティング・ビッグツイン」。ツインらしいスパルタンでガッツのある特性と、軽快でスポーティな走りの両立を狙った、あくまでスーパースポーツでのチャレンジだったと、YAMAHA開発陣は語っています。
当時の資料を読み返してみると、RIDERS CLUBのネモケンさんは、TRX850についてこう語っています。
とにかくTRX850は乗った途端に感動する軽やかさと、低回転からでもスロットル一捻りの瞬間にダッシュする面白さに満ちている。ところが実はヤマハ社内でも当初このTRX850開発を疑問視する声が多かったらしい。優れたバイクはライダーが積極的に操作しなくても、たとえばコーナリングは弧を描くように安定して駆け抜けていくものというのがこれまでの常識だったから無理もない。TRX850はライダーが積極的に操作することで表情が大きく変わるという、まったく正反対の性格だ。それだけ日本のスーパースポーツは画一的だったということもできる。国産にはなかった新しい価値観のスーパースポーツ誕生である。
価格も85万と安価に設定され、市場は大いに盛り上がりました。
数年後、HONDAやSUZUKIからもビッグボア・ツインのスーパースポーツが投入されたり、DUCATI 916も996となり性能が向上していきました。しかし、TRX850のエンジンブロックには余裕がなく、ボアアップできるのは900cc止まり。
ライバル勢に性能面で水を開けられてしまい、販売は低迷。残念ながら、一度もモデルチェンジすることなく、販売終了となってしましました。
しかし、kurokiを含むユーザーの一部は、TRX850をスーパースポーツとして見ませんでした。
- 83馬力のホドホドのパワー
- 乾燥重量188kgのソコソコ軽い車体
- 程よくしなるトラスフレーム
- 心地よいパルス感を感じる、270度クランクの二気筒エンジン
軽くて扱いやすいパワーの車体を、気持ちよく楽しく走らせる、FunRide(楽しい乗り物)と見たのです。
MT-09にも、同じ流れを感じるんですよね。
同じことを感じているTRX乗りは、きっと少なくないはず!
クロスプレーン・コンセプト
motoGPに参戦するYAMAHAが、2004年型のYZF-M1に搭載したのが、クロスプレーン・クランクシャフト。
クランクシャフトのクランクピンを90度ずつずらして配置し、270度・180度・90度・180度の不等間隔爆発を発生させることで、クランクまわりに生じる不要な慣性トルクを打ち消し、燃焼トルクのみを抽出します。
コーナリング中も高回転をキープして走るmotoGPでは、ライダーが不安なくスロットル操作できるようになったと言われ、ヴァレンティーノ・ロッシによって、YAMAHAに念願のチャンピオンがもたらされました。
YZF-M1が特徴的なのが、なんといっても低い排気音!
TRX850でツイン好きになったkurokiにとって、YZF-M1の排気音はとても魅力的に響きます。
そして2009年。クロスプレーン・クランクシャフトが搭載されたYZF-R1がデビュー。
YZF-M1の排気音が、市販車で味わえるということで、いつか乗ってみたいと憧れていました。
結局2012年に、走行距離3000km未満のYZF-R1(09国内仕様)を手に入れるのですが。
さらに2013年。YAMAHAがクロスプレーン・コンセプトを発表しました。
クロスプレーン・クランクシャフトを搭載した四気筒エンジンのような、燃焼トルクの取り出しやすさを、他のエンジン種類にも波及させることが目的のようです。
(このネーミングには違和感たっぷりですが…)
- MT-09の三気筒エンジンは、240度・240度・240度の等間隔爆発
- MT-07の二気筒エンジンは、270度・450度の不等間隔爆発(TRX850に搭載済み!)
期せずして、kurokiはクロスプレーン・コンセプトの流れに乗っていたワケです。
MT-09の三気筒エンジンに乗れば、全種類制覇ってことになりますな!
I love FunRides!!!
MT-09でツーリングに行ったり、サーキットを走ったりしてわかりました。
楽しい領域が、TRX850と丸かぶりなのです!
結局、心に刺さった一番の理由は、「FunRide」だったから!
なので、funrides.org というドメインを取得して、このサイトを始めた次第です。
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